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アルミ箔とアルミ蒸着の違いとは?

食品包装やプラスチック製品の分野では、
「アルミ箔」と「アルミ蒸着」という言葉をよく耳にします。
どちらも銀色で似た見た目をしているため、
同じ材料だと思われることも少なくありません。
しかし実際には、構造も性能もまったく異なる材料です。
リサイクルや材料設計の観点から見ても、この違いを理解しておくことは非常に重要です。今回は、意外と知られていないアルミ箔とアルミ蒸着の違いについて解説します。

 


アルミ箔とは

アルミ箔は、アルミニウム金属を圧延して非常に薄く延ばした「金属シート」です。
一般的な厚みは約620µm程度で、完全な金属層として存在しています。
このため、酸素・水蒸気・光などをほぼ完全に遮断できる
非常に高いバリア性能を持っています。
そのため、以下のような用途で広く使用されています。

・レトルト食品包装
・医薬品包装
・コーヒー包装
・ヨーグルト蓋材
・高バリア食品パッケージ
多くの場合、アルミ箔は単独で使われるのではなく、
プラスチックフィルムと積層されて複合材料として使用されます。
例えば
PET
フィルム
接着層
アルミ箔
接着層
PP
フィルム
といった構造になり、それぞれの材料の特性を組み合わせることで、
高い機能性を実現しています。

 

アルミ蒸着とは

一方、アルミ蒸着はまったく異なる技術です。
これはプラスチックフィルムの表面に、真空蒸着という方法で
アルミニウムを極めて薄くコーティングしたものです。
アルミ層の厚みは約0.030.1µm程度と非常に薄く、
金属の薄板というよりも表面コーティングに近い構造です。
アルミ蒸着フィルムは光沢が強く、金属のような外観を持つため、
高級感のある包装材として広く利用されています。
代表的な用途には次のようなものがあります。
・ポテトチップスなどのスナック菓子袋
・菓子包装
・コーヒーの外袋
・日用品の包装フィルム
アルミ箔ほどの完全なバリア性能はありませんが、
軽量でコストが低く、加工性に優れているという特徴があります。

見た目は似ていても構造はまったく違う
アルミ箔とアルミ蒸着は、見た目は似ていますが
材料構造は根本的に異なります。
アルミ箔
金属アルミニウムの薄い板
アルミ蒸着
プラスチック表面に形成された金属コーティング
この違いにより、バリア性能・コスト・用途なども大きく変わります。
リサイクルの観点から見た違い
リサイクルの観点から見ると、この違いはさらに重要になります。
アルミ箔複合材の場合、金属としてのアルミ量が比較的多いため、
分離技術によってアルミ資源として回収できる可能性があります。
一方、アルミ蒸着フィルムの場合、アルミ量は極めて少ないため、
金属としての回収価値はほとんどなく、
実質的にはプラスチック材料として扱われることが一般的です。
つまり、同じように見える材料でも、
資源価値やリサイクル方法は大きく異なるのです。

材料構造を理解することが循環の第一歩

複合材料は、機能性を高めるために今後ますます利用が拡大していきます。
その一方で、材料構造が複雑になるほどリサイクルは
難しくなるという課題もあります。
だからこそ、素材がどのような構造でできているのかを正しく理解することが、
資源循環を進める上で重要になります。
アイレックスでは、こうした複合材料の分離・再資源化技術の開発を通じて、
これまで廃棄されてきた材料を資源として活用する取り組みを進めています。
今後のコラムでは、複合材料リサイクルの現状や技術についても、
実際の事例を交えながら紹介していきます。
複合素材のリサイクルや資源化についてご関心がございましたら、
ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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