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アイレックスはマテリアルリサイクルの新たなビジネスに着手

「樹脂シートに圧縮された アルミ蒸着・アルミ箔などの複層シート容器の完全分離技術を確立」

近年、脱炭素社会の実現に向けて、企業の廃棄物処理に対する社会的な目はより厳しくなっています。特にプラスチック資源の再利用は、循環型社会の要とされ、製造現場から出る複合素材の端材や不良品への対応が、各企業のESG経営やSDGs方針に直結しています。

そうしたなか、複層プラスチックのリサイクルは、従来技術では困難とされてきました。特にアルミ蒸着や紙素材との貼り合わせがある場合、分離が難しく、焼却や埋立処分が選択されていたのが現状です。

こうした状況を打破するため、アイレックス株式会社では、分離技術の確立と独自設備の導入により、より高度なマテリアルリサイクルに挑戦しています。

ヨーグルト、ゼリー、ミルクポーションなどの蓋は、アルミ蒸着・アルミ箔の貼り合わせの複層シート構造のプラスチック容器となっており、加工食品を中心に、医療分野などの様々なジャンルで増えています。

複層シート容器の使用拡大に伴い、特に食品製造業や医療機器関連企業では、毎月数トン規模の端材や不良品が発生するケースも少なくありません。これらの端材は従来、埋立や焼却による処分が一般的で、企業の環境負荷や処分コストの増加が問題視されてきました。アイレックスでは、こうした“処分前提”の廃棄物を“資源”として捉え、再資源化するルートを企業に提案しています。

複層シートは、耐久性や遮光性、防湿性など優れた特性を持っていますが、リサイクルの難易度が高いので、従来から、産業廃棄物として処分費をかけて処分しています。

異なる性質の複層材料は、単一素材のプラスチックに比べ分離が困難です。しかし、そのアルミ類等の完全分離が、プラスチックリサイクルでは前提となり不可欠な工程となります。

昨年8月から新たに稼働した、弊社リサイクルプラント設備は、アルミ蒸着・アルミ伯、紙などの複層シートをPPやPE、PSなどのプラスチック容器の分離の完全自動化を可能にしました。

食品メーカーの工場から排出されるポーション容器やヨーグルト容器の端材などの複層プラスチック材料数種を、弊社は有価で引き取り、弊社プラントに再生プラスチック素材にリサイクルしています。

産業廃棄物処理費の削減になることはもちろんですが、企業のリサイクル率の向上にも寄与します。

また、CO₂排出削減にもつながるため、環境配慮型経営(ESG経営)を推進している企業からの引き合いが増えています。ISO14001の運用や、SDGsの「12.つくる責任 つかう責任」に貢献する取り組みとして、排出物のリサイクル方針を見直す企業が増加傾向にあります。

このような背景から、以下のような企業様にとって、弊社のリサイクルソリューションは大きなメリットを提供しています。

  • 加工食品メーカーで、多品種少量生産により端材が月単位で発生している
  • 医療用包装資材など、衛生面に配慮された素材の排出が多い
  • SDGsに取り組んでおり、定量的なCO₂削減効果を報告したい
  • ISO14001やグリーン調達に対応した処理フローが必要
  • 排出物のリサイクル証明を海外取引先から求められている

特に「マテリアルリサイクル証明書」の発行により、企業が再生材活用の実績を第三者に提示できる点は、輸出商材や環境監査対応を行う企業にとって重要なメリットです。

今後は、海外市場向け製品の輸出基準としても、再生材利用の証明が求められる場面が増えると想定されることから、アイレックスでは「リサイクル証明書」の発行にも対応しております。

これからの排出される端材は、50cm〜60cm幅のロール形状で入荷し、その後、一般プラスチック容器と同じベースのプラ(PPやPE、PS)と、異物となるアルミ、紙に完全分離します。

アイレックスでは、回収対象の端材が「ロール状」「シート状」「カット済み」のいずれであっても、事前にサンプル分析を行い、処理可能性や再資源化歩留まりを算出しています。

これにより、お客様の廃棄コストや保管コスト、リサイクル比率を明確に可視化し、経営判断に活用できるレポートを作成します。

さらに、長期契約をご検討中の企業様には、定期回収スキームや在庫圧縮提案、月次レポート発行など、パートナーシップ型のサポート体制をご用意しています。

製造したプラスチックの再生ペレットは、商社経由でその素材に応じた使用先に出荷しています。

再生ペレットは、用途ごとに粒径・比重・耐熱性などが調整され、各種プラスチック製品の原料として活用されています。主な使用先としては、以下のような製品が挙げられます。

  • プラスチックパレットやコンテナなどの物流資材
  • 自動車内装部品や家電カバーなどの樹脂成形品
  • 雨どい、波板などの建材パーツ

これらの用途において、再生プラスチックの導入が進んでおり、安定供給できるサプライチェーンの構築は、社会全体のサステナビリティ向上に貢献します。

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