お知らせ・コラム

お知らせ

物性検査機器の勉強会を実施いたしました。ノッチ付き、シャルピー衝撃試験

衝撃試験とは、物体に高速で負荷を加えたときの抵抗を測定する試験です。材料に衝撃を加えたときの耐性や脆弱性(もろさ)を調べます。衝撃試験には、振子式のアイゾット衝撃試験、シャルピー衝撃試験、引張衝撃試験と落球式の落球(落錘)衝撃試験、デュポン衝撃試験、ダートインパクト試験がございます。なかでもシャルピー衝撃試験は、強い衝撃や高い圧力を受ける物体の検査には欠かすことができません。

アイゾッド衝撃試験、シャルピー衝撃試験は、通常、試験片にノッチ(切り欠き)を付けて試験を行います。ノッチを付けることにより応力が集中するため、ノッチ形状、ノッチ加工方法の影響を受けます。

シャルピー衝撃試験 (JIS K 7111-1, ISO 179-1, ASTM D6110)

試験片の両端を支え、ノッチ部の背面をハンマで打撃させたときの衝撃値を評価する方法です。振り子式のハンマを使用し、試験片を破壊したときのエネルギーから衝撃値を評価します。

振り下ろされたハンマは試験片を破壊した後、惰性で盛り上がります。ハンマの上がり具合で試験片の破壊に要した吸収エネルギーを測定。このエネルギーが大きいものほど、その物体は靭性がある(粘り強い)と判定するのです。

ハンマが高い角度まで上がった場合、物体が衝撃を十分に吸収できていません。逆に低い角度までしか動かなかった場合、より多くの衝撃を吸収できています。

シャルピー衝撃試験で破壊した試験片の断面は、試験温度に応じて違いが現れます(
脆性遷移現象)。脆性遷移現象を理解するために、波面の種類を理解しましょう。

波面の様相はキラキラした銀白色の脆性破面と、暗灰色で大きな凸凹が伴う延性破面の2つです。同じ素材でも低温だと脆性破面になり、逆に高温だと延性破面になります。

また断面によって素材の吸収エネルギーに違いがあります。脆性破面は吸収できるエネルギーが小さく、延性破面はエネルギーが大きいのが特徴です。

試験片寸法

・試験片を必要な形にカットしていき、ノッチ加工をします。

・カットした試験片を検査機器に設置します。

・試験片を振り子ハンマで破壊していき、耐衝撃の強さを測ります。

シャルピー衝撃試験と並び工業分野で多く用いられるのが、プラスチックの衝撃測定に適したアイゾット衝撃試験です。両者は試験片を破壊した後のハンマの上がり具合から強度を測定する点は同様ですが、測定方法に違いがあります。

シャルピー測定試験では試験片の両端を固定して中央に打撃を与えるのに対し、アイゾット衝撃試験では物体の一端を固定して、もう一端を破壊します。物性検査を行う際は、場面や素材に適した手法を確認してから実施しましょう。

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