お知らせ・コラム
樹脂シートに圧着されたアルミ蒸着・アルミ箔の完全分離技術に成功 マテリアルリサイクルの新たなビジネスチャンスへ
当社は、樹脂シートに圧着されたアルミ蒸着およびアルミ箔の完全分離技術を開発し、新たなリサイクル市場の開拓を可能にしました。環境負荷の低減のみならず、コスト効率の高い資源循環が実現し、パートナー企業様にとっても新たなビジネスチャンスが広がります。
背景と解決する課題
従来、アルミ蒸着シートやアルミ箔が圧着された樹脂シートは、その複合構造ゆえにリサイクルが難しく、多くの場合産業廃棄物として処分されていました。これは環境負荷を増大させるだけでなく、コスト面でも企業にとって負荷を増大させることになります。
当社は特殊な物理的・化学的プロセスを組み合わせることで、アルミと樹脂を効率的かつ完全に分離し、リサイクルを可能にしました。
近年、食品・医療・日用品分野における多層構造のプラスチックシート包装の使用が急増しています。特にPPやPSなどの樹脂にアルミ蒸着層を貼り合わせたシート材は、遮光性・防湿性に優れる一方で、そのリサイクル困難性が大きな課題とされてきました。
環境省の資料でも、多層構造プラスチック材料のリサイクルは「現時点では多くが焼却処分されており、分別・回収の技術革新が求められている」と明言されています。
このような社会的背景の中、当社が実現したアルミと樹脂の完全分離技術は、従来廃棄されていた多層構造のシート材を“資源”へと転換させる可能性を秘めています。
リサイクル困難物の処理に悩んでいた企業様にとって、コスト削減と環境配慮の両立が実現できる、まさに画期的な技術といえるでしょう。
コスト削減と効率向上
当社の分離技術を導入することで、廃棄物処理費用が大幅に削減され、再利用可能な高品質な再生資源が手に入ります。これにより、材料購入と廃棄コスト削減の向上に貢献します。
また、環境配慮に積極的な企業姿勢を対外的にアピールすることにもつながり、CSR・ESG評価の向上にも一役買っています。単なるコストダウンにとどまらず、企業価値の向上という面でも多くのメリットを感じていただいています。
剥離プロセス
分離処理の核心となるのが、当社独自の「物理+化学」ハイブリッドプロセスです。この工程は以下のように3つのステップで構成されており、アルミ層と樹脂層を高効率かつ安全に分離可能としています。
1.物理的ステップ
機械的処理によってアルミ層と樹脂層を部分的に分離し、次の化学的処理をスムーズに進めるための準備を行います。
2.化学的ステップ
エコフレンドリーな化学処理を用い、アルミ層と樹脂層を完全に分離します。従来技術では困難だった安全かつ効率的な分離を実現しました。
3.再利用
分離されたアルミと樹脂は、それぞれ精製工程を経て、高品質なリサイクル素材として幅広い用途に応じた再利用が可能です。
今後の展開
当社は今回の技術開発を基盤に、より多くの企業様にこの技術を提供し、資源の有効活用を通して、環境負荷の低減とリサイクルの促進を目指します。
私たちは現在、この分離技術の活用領域をさらなる複合素材にも広げる研究開発を進めています。今後もリサイクル技術のさらなる発展を図り、企業のリサイクルニーズに応じたソリューションを提案していきます。
これにより、飲料容器・建材・家電パーツなど、さまざまな産業分野での資源循環率を飛躍的に高めることが期待されます。
また、当社では定期的に分離技術に関する社内ラボ見学会やオンライン技術セミナーを開催しており、ご興味のある企業様には個別相談やトライアルテストもご案内しています。
リサイクル対応の“次の一手”をお探しの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
用語解説
- アルミ蒸着フィルムとは?
PPやPSなどのプラスチックシートにアルミを極薄に蒸着(真空状態で蒸発させて付着)したもので、防湿・遮光性に優れるため食品や医薬品の包装に多用されます。 - マテリアルリサイクルとは?
使用済みプラスチックを焼却や溶融ではなく、物理的または化学的処理で原材料として再利用する方式。リユース・リサイクルの中でも資源循環性が高く評価されています。 - 複合素材のリサイクル課題
異なる材質が組み合わされた素材(多層ラミネートなど)は、分離が困難なため処理コストが高く、再資源化率が極端に低いという問題が指摘されています。
お問い合わせ・商談のご案内
これまで産業廃棄物として処分されていた、または処理に困っていた素材に対し、納得していただけるご提案を心がけております。お客様のご要望に合わせた最適なリサイクルプランをご提案いたしますので、ぜひアイレックス株式会社までお気軽にご相談ください。