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アイレックスはマテリアルリサイクルの新たなビジネスに着手

「樹脂シートに圧縮された アルミ蒸着・アルミ箔などの複層シート容器の完全分離技術を確立」

 

ヨーグルト、ゼリー、ミルクポーションなどの蓋は、アルミ蒸着・アルミ箔の貼り合わせの複層シート構造のプラスチック容器となっており、加工食品を中心に、医療分野などの様々なジャンルで増えています。

複層シート容器の使用拡大に伴い、特に食品製造業や医療機器関連企業では、毎月数トン規模の端材や不良品が発生するケースも少なくありません。これらの端材は従来、埋立や焼却による処分が一般的で、企業の環境負荷や処分コストの増加が問題視されてきました。アイレックスでは、こうした“処分前提”の廃棄物を“資源”として捉え、再資源化するルートを企業に提案しています。

複層シートは、耐久性や遮光性、防湿性など優れた特性を持っていますが、リサイクルの難易度が高いので、従来から、産業廃棄物として処分費をかけて処分しています。

異なる性質の複層材料は、単一素材のプラスチックに比べ分離が困難です。しかし、そのアルミ類等の完全分離が、プラスチックリサイクルでは前提となり不可欠な工程となります。

昨年8月から新たに稼働した、弊社リサイクルプラント設備は、アルミ蒸着・アルミ伯、紙などの複層シートをPPやPE、PSなどのプラスチック容器の分離の完全自動化を可能にしました。

当社が導入した分離システムは、光学選別機や静電分離機、高精度粉砕装置を組み合わせた独自プロセスで構成されており、手選別不要で効率的な処理を実現します。さらに、異物混入率が5%を超えるような難処理物にも対応しており、再資源化の歩留まりを大きく向上させています。

処理対象素材

使用機器

主な効果

アルミ蒸着フィルム

静電分離機

アルミと基材の電荷差による選別

紙混合複層シート

光学選別機

光の反射率の違いで材料を識別

端材ロール(50cm幅)

高速粉砕機

均一サイズに破砕し選別精度を高める

食品メーカーの工場から排出されるポーション容器やヨーグルト容器の端材などの複層プラスチック材料数種を、弊社は有価で引き取り、弊社プラントに再生プラスチック素材にリサイクルしています。

産業廃棄物処理費の削減になることはもちろんですが、企業のリサイクル率の向上にも寄与します。

また、CO₂排出削減にもつながるため、環境配慮型経営(ESG経営)を推進している企業からの引き合いが増えています。ISO14001の運用や、SDGsの「12.つくる責任 つかう責任」に貢献する取り組みとして、排出物のリサイクル方針を見直す企業が増加傾向にあります。

今後は、海外市場向け製品の輸出基準としても、再生材利用の証明が求められる場面が増えると想定されることから、アイレックスでは「リサイクル証明書」の発行にも対応しております。

これからの排出される端材は、50cm〜60cm幅のロール形状で入荷し、その後、一般プラスチック容器と同じベースのプラ(PPやPE、PS)と、異物となるアルミ、紙に完全分離します。

製造したプラスチックの再生ペレットは、商社経由でその素材に応じた使用先に出荷しています。

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