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パキスタンで大洪水発生
例年のモンスーンよりも10倍以上多く雨が降り続いた影響で、パキスタンは洪水の被害を受けています。国土の3分の1が水没するほどの洪水で、雨がやんだあとも多くの方が避難生活を強いられています。この洪水の一因として、気候変動を挙げる専門家もいます。近年たびたび大雨の被害を受けている日本も、他人事ではありません。パキスタンの洪水被害の原因や現状をご紹介します。
パキスタンで大洪水が発生
2022年9月現在、パキスタンでは大雨の影響で洪水・鉄砲水・地滑りなどが起き、約1400人が死亡し100万棟以上の家屋が損壊しました。被災者は3300万人以上といわれていますが、まだ全容を把握しきれていない状況です。
パキスタン国土の3分の1が水没するほどの洪水で、被害の大きい地域では水が引くまでに3ヶ月から半年ほどかかると見込まれています。
パキスタン大洪水の原因は?
パキスタンの洪水は、実は大雨だけが原因で起きたのではありません。4~5月パキスタンでは熱波が襲い、連日40℃を超える日が続きました。例年この時期は暑い季節ではありますが、平年の気温よりも5℃以上も高い気温を記録しています。
熱波の影響で、5月にはパキスタン北部の山岳地帯でヒマラヤの氷河の氷が解けて、鉄砲水が発生しました。このように8~9月の洪水は、その前の時期に熱波によって氷河の氷が解けたことも一因なのです。
また、専門家のなかでは地球の気候変動が、パキスタンの熱波や大雨の原因という見解を示しています。このまま温暖化が続けば、世界各地で今回のパキスタンの洪水以上の災害が起きる可能性があります。
「ヨーロッパ各地で40℃を超える猛暑」では、ヨーロッパでも地球温暖化による気温が40℃を超えたことを紹介しております。
今後懸念されること
パキスタンでは今も多くの方が避難生活を送っています。住宅だけでなく道路や水道、電気といったインフラが破壊されてしまったため、元の生活に戻るためにはより多くの支援が必要でしょう。衛生環境も悪化しているため、感染症の流行も懸念されます。
また、パキスタンは古くから農業が盛んな国です。小麦・綿花・ナツメヤシなどの生産国ですが、今回の洪水で農地も被害を受けています。世界全体の食糧危機にもつながる可能性があるのです。
日本でも毎年、線状降水帯や台風の影響で大雨の被害を受けています。地球温暖化が異常気象の原因ならば、日本でパキスタンと同じようなことが起きてもおかしくありません。なるべく環境に配慮した製品を選んだり資源の無駄遣いをやめたりすることで、地球温暖化を食い止めていきたいですね。
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