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方法は3つ!廃プラスチックのリサイクルについて

地球規模で問題となっているプラスチックごみですが、解決策のひとつとなっているのが、廃プラスチックのリサイクルです。この記事では、廃プラスチックリサイクルの内容とリサイクル率、3つの異なるリサイクル方法について解説します。

廃プラスチックのリサイクルとは

プラスチック製品の利用拡大に伴い、廃プラスチック排出量も増加の一途をたどっています。

プラスチックごみ問題は、海洋生物や野生動物に悪影響を与えるだけでなく、地球環境にも深刻な損害をもたらす喫緊の課題です。

そのため、廃プラスチックはリサイクルし再利用することが問題の解決に貢献します。例えば、新たなプラスチック製品の生産に必要な資源の節約や廃棄物の削減、CO2排出量の削減など、地球にやさしい行動につながるのです。

リサイクル率と内訳

廃プラスチックのリサイクル率はどのくらいなのでしょうか。

リサイクル率は、廃プラスチックの生成量と、リサイクルされた量の比率によって算出されます。一般的に、リサイクル率が高いほど、廃棄物の削減や資源の有効活用に貢献することができます。

日本における廃プラスチックの排出量は、2018年時点で891万トンにも及びますが、リサイクル率は、2020年に約86%となっており、高い水準であるといえるでしょう。プラスチックのリサイクルは、エネルギーとしての利用のほか、再生材料や再生製品として再活用されています。

また、リサイクルプラスチックの樹脂別の内訳としては、ペットボトル用のプラスチックが最も多く、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレンの順に量が多くなっています。

アイレックスのリサイクル率は?

アイレックスの工場では、あらゆる無駄をなくしすべての資源を有効活用する取り組みを行っています。

例えば、フレコンバックはリサイクル時に約10%のロス(粉砕粉)が出ますが、できるだけリサイクル率を上げるため、出てきたロス品を再度機械へ投入し、もう一度分別をして再生原料を生産しているのです。

こういった積み重ねが、リサイクル率の向上に寄与すると考えています。

廃プラスチックリサイクル|3つの方法を詳しく解説

・マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルは、使用済みの製品や材料を回収し、それを再利用可能な原料として再加工する方法です。この手法は環境に優しく、循環型経済を促進するために重要です。

まず、収集された材料は適切な分別とクリーンアップが行われます。次に、物理的または化学的な処理が行われ、元の素材と同等または類似の品質で再生産可能な原料に変換されます。プラスチック、紙、金属、ガラスなど、さまざまな材料が対象とされます。

マテリアルリサイクルの利点は、資源の節約と廃棄物の削減にあります。再生材料を使用することで、新たな原料の採掘や生産に伴うエネルギー消費と環境への影響を軽減できます。また、廃棄物処理の問題にも対応し、循環経済を推進します。

一方で、マテリアルリサイクルには課題もあります。一部のプラスチックや複合材料は処理が難しく、適切なリサイクルができないことがあります。そのため、適切な分別が行われるためには、効果的なリサイクルシステムの構築が求められます。

・ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルは、使用済みの製品や化学物質を原料とし、これを化学的な方法で分解・変換して新しい製品や原料に再利用する手法です。物理的な再生では難しいプラスチックや複合材料の再利用に有効で、原料の資源効率を向上させます。

高温や圧力、触媒などを用いて、分子レベルでの変化が起こることにより、元の製品や材料と同等の品質や性能を持つ新しい製品が生成されます。ケミカルリサイクルは、従来のリサイクルよりも多様な材料に対応し、リサイクル率を向上させる可能性があります。

利点としては、プラスチックなどの難解な材料も効果的に再利用できること、再生産物の品質が高いことが挙げられます。しかし、エネルギーの高いプロセスや特殊な技術が必要なため、コストが高いことが課題で、プラスチックリサイクルの中でも約3%とかなり低いのが現状です。さらなる技術革新や経済的な効率化が進められることで、ケミカルリサイクルは将来的なサステナビリティの向上につながると期待されています。

・サーマルリサイクル

サーマルリサイクルは、廃棄物やプラスチックなどを焼却して、熱エネルギーを回収したり、固形燃料にしたりする手法です。国内のプラスチックリサイクルの6割をサーマルリサイクルが占めていますが、欧米では、エネルギー回収・熱回収と呼ばれ、リサイクルとは認められていません。。 

物質が高温で熱分解されることで、ガスや液体などの生成物が得られます。これらの生成物はエネルギーとして利用されたり、新しい原料として産業工程に再投入されたりすることがあります。

サーマルリサイクルは、プラスチックの量を削減し、廃棄物をエネルギー源に変換する効果が期待できる反面、エネルギーの高い工程や一部の有害物質の生成が懸念され、環境への影響についても議論が進んでいます。

廃プラスチックリサイクルでできること

廃プラスチックリサイクルによって、環境負荷の軽減や資源の有効活用をすることができます。廃プラスチックを再利用することで、新たな製品の原料として活用され、廃棄物の削減につながります。

また、リサイクルによってプラスチック廃棄物の処分に伴う社会的コストを削減し、持続可能な資源循環社会の実現に貢献します。

1. 資源の再利用

マテリアルリサイクルは廃プラスチックを再利用可能な原料として復活させ、新しい製品や包装材料として生産できます。これにより、新規の原材料採掘を減少し、有限な資源の持続可能な利用が実現されます。

2. エネルギー効率の向上

ケミカルリサイクルは高温や化学反応を用いて廃プラスチックを再生産物に変換します。これにより、新規プラスチックの製造に伴うエネルギー消費を抑制し、エネルギーの効率的な利用が期待されます。

3. 複雑なプラスチックの再利用

ケミカルリサイクルやサーマルリサイクルは、通常のリサイクルが難しい複雑なプラスチックや混合物を効果的に扱うことができます。これにより、幅広い種類のプラスチック廃棄物を有効に再利用できます。

4. 廃棄物削減

プラスチック廃棄物を減少させ、埋め立て地や海洋への投棄を削減します。

5. 環境への影響軽減

プラスチックの再利用により、新規プラスチックの生産に伴うCO2排出や石油由来の原料採掘の減少が期待され、これが気候変動への対策や環境への負荷軽減に貢献します。

これらの効果により、廃プラスチックリサイクルはサステナビリティを追求し、循環型経済の構築や資源の持続可能な利用に向けた取り組みを促進することができます。

廃プラスチックのリサイクルは、環境に優しい取り組みとして注目される一方で、廃プラスチックのリサイクルには技術的・経済的な課題も存在し、技術改善やリサイクル製品の需要拡大など、さらなる取り組みが求められています。


アイレックスでは、廃プラスチックの買取を行っています。今までリサイクルが難しかった素材や複合樹脂などにもチャレンジをしていきますので、お気軽にお問い合わせください。

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