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国内初のエネルギー消費実質ゼロ大規模工場が完成

2022年7月に、日本で初めてエネルギー消費実質ゼロの大規模工場が完成しました。エネルギーを工場内の太陽光パネルで生み出し、工場の生産活動に使用します。このような、エネルギー消費実質ゼロの生産設備は、今後も増えていくはずです。そこで、今回日本初となった工場の仕組みについて解説します。

エネルギー消費実質ゼロを実現したのは埼玉県本庄市にある沖電気工業の工場

日本で初めてエネルギー消費実質ゼロの工場として、ZEB(ゼロ・ネット・エネルギー・ビル)に認定されたのは、埼玉県本庄市にある沖電気工業の工場です。ZEB(ゼブ)は、2014年に「エネルギー基本計画」として閣議決定されて以降、賃貸ビルや商業施設、学校などで普及しつつあります。しかし、よりエネルギーを必要とする大規模な生産工場では、消費エネルギー実質ゼロを実現するのが困難でした。

沖電気工業本庄工場の概要

沖電気工業の本庄工場では、環境に配慮するだけではなく、地震などの災害に強い工場を実現しました。消費エネルギーを実質ゼロにするために、次のような工夫をしています。

・屋根に太陽光パネルを設置

・外壁や屋根に高断熱素材を使用

・自然通風と自然採光など、自然エネルギーの活用

・稼動状況に連動した細やかなエネルギー制御システムの活用

これによって、新工場ではエネルギー削減率133%を実現しました。

参照:沖電気工業株式会社「大規模生産施設として国内初の『ZEB』認定工場「本庄工場H1棟」竣工

エネルギー消費実質ゼロとはどういうこと?

エネルギー消費実質ゼロとは、省エネによって消費電力を抑えながら、太陽光などで発電をすることで、1年間のエネルギー消費量が差し引きゼロになることです。まったくエネルギーを使わないわけではないものの、生み出すエネルギーが大きければ、実質ゼロということになります。

ZEBを実現するために、環境省では次の2つをすすめています。

・自家消費型の太陽光発電設備を設置すること

・建築物の省エネ性能を向上させること

商業施設や工場がZEBになると、環境に優しいだけでなく、働く人に快適な環境を提供できます。また、自家発電できるので、災害時にも安心です。

難しいとされてきた大規模な生産工場でもZEBを実現したことで、今後さまざまな場所でエネルギー消費実質ゼロの施設が増えていくでしょう。

エネルギー消費実質ゼロの施設について、「新築住宅の省エネ義務化へ」でもご紹介しております。

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