お知らせ・コラム
廃プラスチックをコストから利益へ:買取価格の仕組みと高値で売るコツ
廃プラスチック買取の市場概要
これまで処分にコストがかかっていた廃プラスチックですが、近年は「資源」としての価値が見直され、再生原料としての需要が高まっています。その流れを受けて、買取を行うリサイクル業者が増え、廃棄物処理から“収益化”へとシフトする企業も増加中です。
特に、製造業や物流業、小売業など、定期的に大量のプラスチックを排出する業種では、買取サービスをうまく活用することで、コスト削減だけでなく、資源循環の取り組みとしても企業価値の向上につながっています。
価格を左右する要因(素材・品質・相場)
廃プラスチックの買取価格は一律ではなく、いくつかの要因によって大きく変動します。特に次の3点が重要です。
素材の種類
樹脂の種類によって買取価格は異なります。以下は代表的な素材の一例です。
素材 | 買取されやすさ | 備考 |
---|---|---|
PE(ポリエチレン) | 高い | フィルムや容器、パレットなど |
PP(ポリプロピレン) | 高い | ケースや部品類に多い |
PS(ポリスチレン) | 中程度 | 緩衝材などに使用 |
PVC(塩ビ) | 低い | 添加剤が多く、再生しにくい |
混合プラスチック | 難しい | 分別や洗浄が必要になる |
品質(汚れ・異物混入)
同じ素材でも、状態によって価格は変わります。汚れがひどい、金属片や紙などの異物が混ざっていると、再生工程に手間がかかるため、買取対象外になることもあります。逆に、キレイに分別・保管されていれば、価格アップにつながります。
市場の相場
再生プラスチック原料の市場価格は、原油価格の動きや世界的な需要に影響されます。中国や東南アジアの輸入規制、日本国内の再資源化促進策など、国際情勢によっても変動が起こりやすい分野です。
高値取引を実現するためのポイント
少しの工夫で、買取価格が大きく変わることもあります。以下のポイントを押さえることで、高値での取引がしやすくなります。
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素材ごとに分別して保管する
異なる素材が混ざると、リサイクルの難易度が上がり、価格が下がります。 -
異物や汚れを取り除く
油汚れやラベルの付着を減らすだけでも、評価が変わります。 -
一定量をまとめて排出する
回収効率が良くなることで、業者側のコストも下がり、価格に反映されやすくなります。 -
取引先を見直す
買取価格や対応品質は業者ごとに異なります。複数社に相談することで、より条件のよい取引が可能になるケースもあります。 -
季節や相場のタイミングを見る
価格が上がるタイミングを見て出荷するというのも、一つの方法です。
実例:買取サービスを導入し収益化した企業
製品の梱包資材としてストレッチフィルムやPPバンドを大量に使用していたある製造業の企業では、以前は廃プラスチックをすべて焼却処理していました。年間の処分費用は約100万円ほどかかっていたといいます。
アイレックスの買取サービスを導入し、社内での分別方法や排出ルールを整備した結果、
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PPバンドとPEフィルムの買取価格:1kgあたり20~40円(相場によって変動あり)
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月間400kgの買取により、年間10万円以上の収益化
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処分費用も半減
という成果が得られました。さらに、環境対策の一環として社内外の評価も高まり、新たな取引先からの信頼にもつながっています。
今後の相場動向とリスク対策
廃プラスチックの買取価格は、一定ではありません。以下のような要因で相場が変動します。
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原油価格の変動
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海外の輸入規制
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再生原料の需要(自動車・建築業界など)
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国内法制度の変更(プラ新法など)
これらの変化に備えるためには、日頃から最新の動向を把握し、信頼できるパートナーと情報を共有しておくことが重要です。また、複数の買取ルートを確保しておくことで、万一メインの取引先が停止してもリスクを分散できます。
まとめ
廃プラスチックは、捨てるものではなく「活用できる資源」として価値を持っています。素材ごとの特性を理解し、きちんとした管理を行えば、買取価格を高めることも可能です。
アイレックスのような専門業者と連携しながら、自社にとって最も効率的な運用方法を模索することが、コスト削減と収益化への第一歩となります。