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廃プラ焼却コストを削減する方法:リサイクルとの比較で見えてくる最適解
製造業や物流業など多くの企業が日常的に排出する「廃プラスチック」。これまで焼却処分が一般的な手段とされてきましたが、近年ではそのコスト上昇と環境負荷の問題から、見直しを迫られています。
今回は、焼却処分の現状とコスト構造、リサイクルとの比較、企業が実際に取り組んだ削減事例などを詳しくご紹介します。
廃プラ焼却の実態と費用構造
廃プラスチックの焼却処分は、廃棄物処理法に基づく適正処理が求められ、主に産業廃棄物として委託処理されます。以下は、廃プラ焼却の主なコスト構造です。
項目 |
内容 |
処理単価 |
一般的に1kgあたり30~70円(地域や業者により変動) |
運搬費 |
排出場所から処理施設までの距離・頻度に依存 |
保管・分別コスト |
一時保管スペース、分別・梱包などの人件費 |
委託管理費用 |
マニフェスト処理や契約管理にかかる間接コスト |
これらは数量が増えるほど比例的に上昇するため、廃プラ焼却は「隠れた固定費」として企業にのしかかっています。
焼却 vs リサイクル:コスト比較
リサイクルの導入を検討するうえで、焼却処分とのコスト比較が欠かせません。以下は両者の費用イメージです。
処理方法 |
処理費用(目安) |
特徴 |
焼却 |
30〜70円/kg |
処理は確実だがコストが高止まり傾向 |
リサイクル(再資源化) |
0〜30円/kg(買取含む) |
分別が必要だがコストを抑えやすい |
有価買取 |
−10〜0円/kg |
材質・状態によっては収益化も可能 |
廃プラの種類(PE、PP、PSなど)や状態(汚れ・異物混入の有無)によっては、リサイクルのほうが圧倒的に低コストとなるケースもあります。
法規制や環境負荷の観点
焼却処分にはコスト面だけでなく、法規制や環境影響という観点からも課題があります。
- 法的義務の強化:温室効果ガスの削減目標に沿って、廃棄物管理の厳格化が進行中
- CSR・ESG評価の重要性:投資家や取引先からの環境配慮への期待が高まっている
- 焼却時のCO₂排出:プラスチックは石油由来のため、燃焼時に多量のCO₂を排出
これらの観点からも、企業が「焼却一択」ではなく、再資源化へのシフトを模索することは避けて通れない時代になっています。
事例:焼却費を削減した企業の取り組み
石川県のプラスチック製造企業では、廃プラスチックの焼却費削減と再資源化推進のために、以下の取り組みを行いました。(出典:石川県の3R事例集)
- 材質別の分別・選別を実施
再資源化可能な廃プラスチックを選別し、分別の精度向上に努めています。
- 圧縮・梱包機を導入し体積を削減
廃プラスチックの体積を圧縮することで、保管スペースの削減や輸送効率の改善を図っています。
- リサイクル業者と連携して計画的な回収を実施
地元リサイクル業者と連携し、廃プラスチックの回収体制を整え、リサイクル率の向上に取り組んでいます。
これらの取り組みによって、廃プラスチックの焼却量を削減し、焼却費の大幅な削減に成功しています。
今後の焼却コストとリサイクル動向
今後、焼却処分コストは以下の理由により上昇が予測されます。
- 処理施設の老朽化や運転コスト増加
- カーボンプライシング(炭素税)制度の導入リスク
- 輸出規制による国内処理集中化
一方、リサイクル分野では次のような動きが活発化しています。
- 再生プラスチックの利用促進(再生材30%義務化など)
- AI・ロボットによる選別自動化の進展
- 補助金・助成金の充実(設備導入支援など)
これからの最適解は、「焼却依存型の処理から、資源循環型の戦略へ移行すること」にあります。
まとめ:焼却だけに頼らない、新しい廃プラ処理戦略を
焼却処分は手軽で確実な処理方法ですが、コストや環境リスクの面では限界が見え始めています。リサイクルへの切り替えは、初期の工夫と連携次第でコスト削減と企業価値向上の両方を実現できます。
アイレックス株式会社では、廃プラスチックの材質診断・再資源化提案・買取相談までワンストップで対応しております。廃棄コストの見直しをお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。