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ヨーロッパで500年に1度の干ばつ発生

日本でも酷暑や豪雨などの異常気象が毎年のように問題になりますが、2022年の夏はヨーロッパで500年に1度の干ばつが発生しました。干ばつによって山火事や水不足が起き、人々の生活に大きな影響を与えています。そこで、ヨーロッパの異常気象について、原因や影響を解説します。

ヨーロッパの60%に干ばつの危険あり

2022年7月上旬から、ヨーロッパでは気温が高い状態が続いています。雨が降らない日が続き、ヨーロッパでは60%以上の地域で干ばつの危険が指摘されました。8月にはヨーロッパを流れるほぼすべての河川で水位の低下が観測されていて、500年に1度の干ばつといわれています。

スイスやドイツを流れるライン川、ドイツからチェコに流れるエルベ川では、過去に干ばつが起きたことを記録した石が露出しています。「ここまで水位が低下すると食料難になる」とされている「飢餓の石」も乾いた河川から見出され、警戒感が強まっています。

干ばつの原因は気候変動

ヨーロッパの記録的な高温と干ばつの原因は、偏西風の蛇行によってヨーロッパ西部に大きな高気圧に覆われたことによると、気象庁は発表しています。それに加えて、地球温暖化によって地球全体の気温が上昇していることも影響したと考えられます。

干ばつによる影響

干ばつによる影響は多岐に渡ります。具体的にヨーロッパで起きているのは、以下の通りです。

・河川の水位が下がり、船を運行できなくなる(これによって、物資の供給に影響する)

・大規模な山火事が発生する

・河川の水が少なくなったり熱くなったりすることで、大量の魚が死ぬ

・水力発電量が20%減少

・農産物の収穫高が減少(トウモロコシは16%減、大豆は15%減、ヒマワリは12%減の見込み)

・水不足による市民生活への影響(シャワーや洗車の制限など)

ヨーロッパの干ばつは少しの降水程度ではおさまらない規模になっています。

ヨーロッパだけでなく、世界各地で干ばつや致命的な洪水が発生しています。地球の気候変動によって、地球に住むすべての生物が影響を受けると考えたほうがよいでしょう。日本でもヨーロッパと同じことが起きる可能性があります。

それぞれの国で立場の違いはありますが、すべての国が一丸となって温暖化防止に取り組むことが大切です。

ヨーロッパ各地で40℃を超える猛暑」でも、地球温暖化についてご紹介しております。

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