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「ペットボトルは資源」ペットボトルリサイクルはどんな風に変わってきたか

現代の生活において、ペットボトルは私たちにとって欠かせないものとなっています。そんなペットボトルですが、実は案外歴史が浅いと知っていましたか。ここでは、ペットボトルの登場からリサイクルの始まりまで、ペットボトルの扱いの移り変わりについて見ていきましょう。

ペットボトルの歴史

ペットボトルの基礎技術は、1967年ころ、アメリカのデュポン社によって確立されました。その後、1973年には、アメリカの化学者ナサニエル・ワイエスがペットボトルの特許を取得し、翌年にはアメリカでペットボトルの使用が開始されました。最初は炭酸飲料のボトル用に、ペットボトルが使われたそうです。現在はより幅広い用途で使われていますね。

日本でペットボトルの使用が開始されたのは、1977年のことです。最初は、しょうゆの容器として使われ始めました。1982年には、清涼飲料用の使用が認められ、耐熱ボトルも開発されました。その後、現在に至るまで、ペットボトルが広く使用されるようになったのはご存知のとおりです。

ペットボトルのリサイクルが始まったのはいつ?

現在では、ペットボトルは資源であるとの考え方が定着しています。ペットボトルは使用後、リサイクルによって再生されるとの考え方です。

ペットボトルのリサイクルは、1993年にペットボトルリサイクル推進協議会が設立され、本格的にスタートしました。その後、1997年に容器包装リサイクル法がペットボトルに適用されたのを皮切りに、リサイクル推進の法整備が進められてきました。その結果、現在では、85%以上ものペットボトルがリサイクルされるまでになったのです。

ペットボトルが誕生してから約50年と、ペットボトルの歴史は長くありません。ペットボトルは、短い歴史の中で、使用の急拡大とリサイクルの定着を経てきたのです。

ペットボトルの再利用!回収後は何に生まれ変わっている?」では、リサイクルされた後ペットボトル以外の製品としても生まれ変わっている事をご紹介しております。

ペットボトルリサイクルの目的

ペットボトルリサイクルの目的は、環境への負荷を減らし、資源の有効活用を促進することです。

ペットボトルは再商品化され、新たな製品に生まれ変わることで、原料の消費を抑え、資源の節約につながります。

また、リサイクルにより廃棄物の削減が図られ、ごみ処分場への廃棄物の投棄を減らせます。さらに、CO2排出量の削減が期待され、地球温暖化対策にも貢献できるでしょう。

ペットボトルリサイクルの問題点

ペットボトルリサイクルの問題点には、以下のようなものがあります。

まず、ペットボトルのリサイクルは、適切な分別や収集が必要であり、コストや手間がかかります。

また、ペットボトルはラベルやキャップなど複数の素材が使われているため、これらを適切に分離することが課題となります。さらに、リサイクル工程において、ペットボトルから異物が混入することがあり、再商品化の品質低下やリサイクル工程の効率低下につながる可能性があります。

これらの問題点を解決するために、適切なリサイクル技術や施設の整備、または原料となるペットボトルの設計変更などが求められています。

ペットボトルリサイクルの仕組みと流れ

ペットボトルリサイクルの仕組みは、収集から再生プラスチックの生産までの一連の流れをいいます。以下に、ペットボトルリサイクルの基本的な仕組みと流れを説明します。

1. 収集

使用済みのペットボトルは家庭や企業から収集されます。これはごみ収集システムやリサイクルセンターなどを通じて行われます。

収集されたペットボトルはプラスチック類として分別されます。他のプラスチックや異なる材料との混入を防ぐため、正確な分別が重要です。

2. 洗浄

収集されたペットボトルは洗浄され、外部の汚れや残留物が取り除かれます。クリーンな素材が再生プラスチックの品質を向上させます。

3. 破砕と粉砕

洗浄されたペットボトルは機械的に破砕され、小さな粒子やチップになります。これにより、再生プラスチックの原料となります。

4. 再生

得られたペットボトルのチップは溶融され、新しい形状に成形されます。射出成形や押出成形といった工程を経て、再生プラスチック製品が生産されます。

再生プラスチックは新しいペットボトル、容器、フィルム、繊維などの製品の原料として使用されます。

5. 製品販売

再生プラスチック製品は市場に供給され、消費者に提供されます。これにより、新しいサイクルが始まります。

6. 環境への影響低減

ペットボトルのリサイクルにより、廃棄物の削減が実現され、環境への負荷が低減します。

リサイクルは新規プラスチックの生産に比べてエネルギーを節約し、温室効果ガスの排出を削減します。

以上が、ペットボトルリサイクルの基本的な流れです。このサイクルを効果的に維持し、品質を向上させるためには、適切なインフラとリサイクルへの協力が不可欠です。

「ボトルtoボトル」とは?

現在、世界では脱プラスチックが叫ばれており、廃プラスチックの輸出も制限される状況となっています。ペットボトルはプラスチックを多く含む製品であるため、リサイクルにおいても従来の方針からの転換が必要な状況です。

廃プラスチック規制の中で、ペットボトルを再生する方法として拡大しているのが「ボトルtoボトル」です。「ボトルtoボトル」とは、使用済みペットボトルをリサイクルし、新たなペットボトルとして再利用する方法のことをいいます。

ボトルtoボトルで、同じ資源をリサイクルすることで、二酸化炭素や廃プラスチックの排出を抑える効果が期待されています。

これからも、ペットボトルは私たちの生活に欠かせないものです。ペットボトルの使用を続けるには、ボトルtoボトルの考え方のもと、適切なリサイクルシステムの定着が必要ですね。

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