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環境にやさしい!再生プラスチックの製品例

プラスチックは私たちの生活に浸透し日々の生活に欠かせない素材となっています。一方で、プラスチックごみの増加は、世界中で重大な環境問題となっており、世界各国で削減に向けた取り組みが行われています。

再生プラスチック製品の利用は、プラスチックごみ削減のために有効な施策の1つです。この記事では、再生プラスチック製品の定義、国内外の再生プラスチック製品事例を解説します。

再生プラスチックの種類と用途

再生プラスチックは、リサイクルされたプラスチックから作られる素材で、さまざまな種類と用途があります。

・再生PET(ポリエチレンテレフタレート)

飲料ボトル、食品容器、衣類、カーペット、繊維製品などに使用されます。再生PETは、新たなボトルや衣類などの製造に再利用されることが多いです。

・再生HDPE(高密度ポリエチレン)

洗剤ボトル、シャンプーボトル、パイプ、容器、建築資材などに使用されます。再生HDPEは、耐久性があり、様々な用途に向いています。

・再生LDPE(低密度ポリエチレン)

ビニール袋、包装材、フィルム、プラスチックシートなどに使用されます。柔軟性があり、包装資材や袋などに適しています。

・再生PP(ポリプロピレン)

容器、自動車部品、おもちゃ、家庭用品、文房具などに使用されます。再生PPは、耐久性や耐熱性があるため、多くの用途に利用されます。

再生プラスチック製品とは

再生プラスチック製品とは、廃プラスチックをリサイクルして作られた新たな製品のことです。

プラスチックのリサイクル方法には、次の3つがあります。

・マテリアルリサイクル・・・廃プラスチックを新たな製品として利用

・ケミカルリサイクル・・・廃プラスチックを原料として利用

・サーマルリサイクル・・・廃プラスチックをエネルギーとして利用

この中の「マテリアルリサイクル」によって作られるのが再生プラスチック製品です。

「マテリアルリサイクル」のプロセスでは、廃プラスチックを粉砕・加工し、ペレットと呼ばれるプラスチック原料に変え、新しい製品に再生します。

マテリアルリサイクルで作られる再生プラスチック製品には、ペットボトルやダストボックスなど身の回りの小さなものから、建築素材のような大きなものまで多種多様なものがあります。

海外の再生プラスチック製品例

海外の再生プラスチック製品の例を5つ紹介します。

1. BOPE

https://bopeshop.ebisurecords.jp/

タイのリサイクル雑貨ブランド「BOPE(ボープ)」では、再生プラスチックを使用したトレー、フラワーポット、コースターなどの製品を展開しています。

原材料は100%再生プラスチックで、ペットボトルなどの廃棄プラスチックを色ごとに分別し、機械で粉砕して再利用します。独自の配合によってイメージの色を出し、オリジナル成型機を使って一つ一つ手作業で作成した商品は、世界に一つだけの特別な模様を生み出します。デザインは世界的にも認められ、受賞やイベントへの作品展示もされました。

2. イケア

https://www.ikea.com/jp/ja/this-is-ikea/sustainable-everyday/sustainable-materials/

「IKEA(イケア)」は、様々な家具や家庭用品に再生プラスチックを使用しており、椅子や収納ボックス、デッキチェア、収納バスケットなど、多くの製品に再生プラスチックが含まれています。

例えば、「クングスバッカ」というキッチン家具の扉と引き出し前部にマットブラックの表面仕上げがされており、使用されているリサイクルPETボトルは25本分です。

2030年までに「プラスチック製品には再生可能素材またはリサイクル素材のみ」を使用するという目標を掲げ、使い捨てプラスチック製品の段階的な廃止など、高い意識を持って環境保護に取り組んでいます。

3. エコアルフ

https://store.sanyo-shokai.co.jp/pages/ecoalf?utm_source=ecoalf.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=redirect_20230920

「ECOALF(エコアルフ)」は、ヨーロッパ発のサスティナブルファッションブランドです。スペインを拠点に、海洋ゴミを回収して新たな製品に活用する「UPCYCLING THE OCEANS (UTO)」(アップサイクリング ジ オーシャンズ)というプロジェクトに取り組んでいます。

地中海での漁業により引き上げられた海洋ゴミからペットボトルを回収。分別、再生して繊維に変え、ウェアとして新たな製品を作り出しています。日本でも「UTO JAPAN」が立ち上げられ、三陽商会によってアップサイクルシステムを構築するプロジェクトが進められています。

4. トリワ

https://www.nordicfeeling.jp/triwa/release/220708/

北欧スウェーデンのストックホルムで生まれたブランド「TRIWA(トリワ)」では、海洋廃棄物をアップサイクルして作られた世界初のリサイクルウォッチ「TIME FOR OCEANS」を販売しています。スイスの“#tide ocean material社 ”と共同開発し、100%リサイクルの海洋プラスチックを素材とした、デザインやカラーバリエーションも豊富なコレクションです。

時計をステートメントシンボルとして、世界の海が直面している問題への意識を高める目的で作られています。

5. ナイキ

https://www.nike.com/jp/sustainability/materials

スポーツブランド「NIKE(ナイキ)」では、リサイクル素材を多くの製品に活用しています。

具体的には、Flyknit技術に再生プラスチックを使用し、シューズの製造に活用しています。再生プラスチックを編み込んだり、素材に取り入れたりすることで、軽量で耐久性のあるシューズを製造しています。

また、使用済みスポーツシューズから抽出された素材であるNike Grindを再生プラスチックの一部として使用しています。これは、再生素材を使用した、新しい製品を開発するためのリサイクル素材です。

再生ポリエステルや再生ナイロンなど、プラスチックを含むリサイクル素材を積極的に使用し、持続可能な製品開発と環境への貢献を目指しています。

国内の再生プラスチック製品例

国内の再生プラスチック製品の例を5つ紹介します。

1. リプラギ

https://replagi.com/

川瀬産業株式会社の「リプラギ」は、100%リサイクルプラスチック原料を使用した再生プラスチック製品です。

木材の代替品として使用することができるこの製品は、腐敗しないことや対薬品性に優れていること、また木屑などの発生が少ないことから、木材に比べ多くのメリットがあります。さらに、木材よりも高強度で耐久性があるため、長期的なコストを抑えることができます。

有害物質を含まないPP、PEを使用して100%マテリアルリサイクルを行なっており、再資源化も可能です。自社工場で洗浄、破砕、ペレット化、そして再製品化まで一貫して行なっています。

2. ダイプラストウッド

https://dai-1-pipe.co.jp/pla/

第一パイプ工業株式会社の「ダイプラストウッド」は、木材やコンクリートの代替品として使用される再生プラスチック製品です。

独自の原料・ブレンド技術により高品質で高機能の再生プラスチックとして開発されました。折れない、割れない、加工がしやすいなどの特徴を持ち、木材からの代替えでの需要が多く、選ばれ続けています。

3. スノーピーク

https://www.snowpeak.co.jp/sp/recycle/

アウトドア用品やキャンプギアを提供する「スノーピーク」は、再生素材を利用した製品を展開しています。

不要になった衣料品やテントを回収し、特殊技術によってポリエステル以外の繊維を取り除いて再生ポリエステル樹脂を製造します。それからポリエステル樹脂に変換し、必要最小限の資源で作られるニットウェアに仕上げます。原料をサスティナブルな樹脂に置き換え、有機的なリサイクルに貢献する取り組みです。

4. 洋服の青山

https://note.com/youfukunoaoyama/n/n385a4abbfe06

「洋服の青山」では、リサイクル専門業者に依頼して破損したプラスチックハンガーをペレット化し、リサイクルするなど真摯に環境問題に向き合ってきました。

世界的な海洋プラスチック問題に対する「プラスチック・スマート」という環境省のキャンペーンに積極的に取り組み、リサイクル原料を使用しているアイテムを多数揃えています。 

シワや汚れがつきにくく、撥水性もあるシャツブラウスなど、機能性も抜群です。リサイクル原料を使用しているアイテムには「プラスチック・スマート」のマークがある専用の下げ札が取り付けられています。

5. ブイ

https://www.techno-labo.com/rebirth/

「buøy(ブイ)」のコンセプトは、「捨てられたプラスチックから捨てられないプロダクトをつくること」。

鮮やかで独特な色でデザインされたトレイなどのインテリア雑貨を販売。原料となるのは海洋プラスチックごみです。全国のごみ拾いボランティア団体がクラウドファンディングで支援し、集めてくれた海洋ゴミを原材料としています。そのため、製品の全てにごみの採集地などの情報が記載されていることが特徴です。
アイレックスでは、マテリアルリサイクルを活用したサーキュラーエコノミー事業の展開に力を入れています。プラスチックリサイクルに興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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