資材の梱包で使用されることが多いPPバンドは、使いきりなのですぐに捨てがちです。今回はPPバンドの買取方法と注意点について解説します。

PPバンドとは

PPバンドは、ポリプロピレン（Polypropylene）というプラスチック素材を用いて作られたバンドのことです。資材の梱包や結束など商品や荷物をまとめる際に、工場や物流倉庫などで利用されています。

PPバンドはその利便性から多くの業界で広く利用されており、使い捨てられることが多い一方で、リサイクルも可能な素材です。

PPバンドに用いられているポリプロピレンは、軽量で引張強度や圧縮強度に優れた素材のため、医療、食品・飲料、自動車など様々な業界で好まれています。

 

PPバンドの種類

PPバンドにはさまざまな種類がありますが、大きく分けると「手作業用」と「機械用」の2つに分類されます。それぞれの特徴について以下にまとめます。

• 手作業用バンド：柔軟性があり容易に扱えるため、手作業での結束等に使用され、軽い荷物の梱包に適している。
• 機械用バンド：引っ張り強度が高く、主に重量物や大量梱包作業に利用される。

また、PPバンドは色や幅、厚さなどが細分化されているのが特徴です。幅が狭く薄いバンドは軽い荷物に適しており、幅が広く厚いバンドは重い荷物に使われるなど、種類の違いにより多様な場面で効率的に使われています。

 

PPバンドの使用用途

PPバンドはさまざまなシーンで活用されています。その主な用途は以下の通りです。

• 物流・運送業：ダンボール箱やパレットなど荷物の梱包や固定に。
• 農業：収穫した野菜や果物を輸送する際の梱包材料として。
• 工業製品の梱包：耐候性が高いため、屋外での保管や輸送、重量物の結束用として。
• 日用品の結束：引っ越しや日常の収納作業など、小規模の結束作業用として。

高い柔軟性と引っ張り強度により、PPバンドは日常から産業まで多岐にわたる場面で重要な役割を果たしています。

 

PPバンドの長所・短所

PPバンドには多くの長所がある一方で、短所も存在します。以下に、長所と短所を説明します。

 

• 長所

耐久性と軽量性

PPバンドは高い引っ張り強度を持ちながら軽量であるため、取り扱いが容易です。輸送の際の追加の重量負担が少ないため、コスト削減にもつながります。

耐水性と耐候性

水や湿気に強いため、屋外でも使用可能です。雨に濡れても劣化しにくく、輸送や保管時に最適です。

リサイクル可能

主原料であるポリプロピレンはリサイクルが可能なプラスチックであり、再生材として利用可能です。

 

• 短所

耐熱性の弱さ

PPバンドは熱に弱く、極端に高温になる環境では変形や強度低下を起こすことがあります。そのため、夏場の直射日光が当たる屋外に長期間放置する場合には注意が必要です。

金属製バンドに比べると耐久性は劣る

引っ張り強度が高いとはいえ、金属製のバンドに比べると強度や耐久性の面では劣ります。そのため、重機の輸送など、非常に高い強度が必要なケースには適していません。

 

PPバンドは、使い勝手の良さとコストパフォーマンスの高さから多くの分野で活用されていますが、使用する環境や重量の制限については理解しておく必要があります。メリットを最大限に引き出すために、適切な用途で使いましょう。

 

PPバンドのリサイクルについて

PPバンドはリサイクル性が高いのも特徴です。使用済みのPPバンドは、適切に処理されることで新しいプラスチック製品の原料として再利用することが可能です。適切にリサイクルをすることにより、資源の有効活用が進み、廃棄物の削減にも繋がります。

さらに、リサイクルすることで得られるさまざまな効果が見込めます。第一に、廃材を有効利用することでコスト削減が可能となります。また、リサイクルなどの環境問題に対する活動は、企業のCSR（社会的責任）活動としても評価され、顧客や株主などの各ステークホルダーからの信頼を得ることができます。

以上のことから、PPバンドを単なる梱包材として捉えるのではなく、環境と経済の両方に配慮したリサイクルの一環として、購入から処分までのプロセスを包括的に考えることが重要です。企業や個人がPPバンドのリサイクルに積極的に参加することで、持続可能な社会の実現に貢献することができます。

PPバンドのリサイクルプロセス

PPバンドは、使用済みのポリプロピレン素材を再利用することでリサイクルができます。リサイクルのプロセスは環境保護に貢献するだけでなく、資源の持続可能な利用を促進します。

 

分別されたPPバンドの回収

リサイクルの最初のステップは、使用済みPPバンドの回収です。工場や物流センター、店舗などから回収されたPPバンドは、リサイクル施設に運ばれます。PPバンドを適切に集め、分別することで、次の処理工程に移るための準備が整います。

 

異物や色の選別

回収されたPPバンドは、異物や色の選別が行われます。この工程で、テープやラベル、金属部品などの不純物を取り除くことが求められます。また、色の選別も重要であり、異なる色のPPバンドがある場合は、再生時の色合いを均一にするために同系統の色に分けられます。

 

粉砕加工

選別されたPPバンドは粉砕機で細かく砕かれます。細かく粉砕することによって、PPバンドは小さなフレーク状になり、溶解しやすい形状に加工されます。

 

ペレットの製造

粉砕されたプラスチックフレークは洗浄され、乾燥後、ペレット化機によってペレットへと加工されます。ペレットはプラスチックの原料としての標準的な形状であり、様々な製品の製造に使用されます。

 

リサイクルPPバンドの製造

製造されたペレットは溶解され、押し出し機によって新しいバンドへと成形されます。このリサイクルプロセスを経て、廃棄されるはずだったPPバンドが新たな用途に生まれ変わります。

PPバンドのリサイクルは、資源の再利用と環境保護の観点から非常に重要です。このプロセスによって、廃棄物の減少と資源の有効活用が進められ、環境に優しいサステナブルな社会の実現に貢献します。

PPバンド買取とメリット

PPバンドはリサイクル会社で買い取ってもらえます。
PPバンド買取には様々なメリットがあるので、以下を参考にしてください。

 

・環境への配慮

 PPバンドは再生可能なプロピレンで作られているため、買取で廃棄物の削減につながり、環境に優しいリサイクルになります。

 

・資源の有効活用

使用済みPPバンドの買取後、リサイクルすることで新たな製品を生み出し、資源を有効活用できます。

 

・経済面にプラス

PPバンドを買取ってもらうことで、少額ながら収入が見込めます。また、リサイクル会社に廃プラスチックを売ることで、事業をサポートすることも可能です。

PPバンドの買取は、環境への貢献ができます。売り手と買い手ともにメリットがあるので、捨てるよりも買取業者に売る方がお得です。

PPバンド買取方法

PPバンドを買取りを行っているリサイクル会社では、特殊な設備と技術を使用して、リサイクルを可能にしています。

 

1.　PPバンドの仕分け

PPバンドの買取前に、金属製のストッパーや粘着テープなどは取り外してください。PPバンドに不純物が付着していると、リサイクルが出来ないので注意してください。

 

2.　買取規定の量

PPバンドはかさばるため、買取に出す際は袋に入れて運搬してください。また、一定の量に達していないと買取を断る場合があります。詳しくは、アイレックスまでご連絡ください。

 

3.　買取品の確認と納品

買取品の状況を確認して、見積りをします。アイレックスでは引き取り・お持ち込みどちらも対応可能です。

PPバンドの買取を依頼する際の注意点

回収したPPバンドに不純物などが混ざっていると、その後のリサイクルの効率と品質に直結します。買取を依頼する際は、以下の点に注意してください。

 

金具シール等の金属類の除去

PPバンドはその使用用途から、金具やシールなどの金属類が付いている場合が多いです。これらの金属部品はリサイクル中に機械を破損させる可能性があり、非金属のリサイクル素材と混ざってしまうと製品の品質が低下してしまいます。

 

プラスチックストッパーの分別

プラスチック製のストッパーも、PPバンドのリサイクル時には取り除くべき異物です。これらのストッパーは、リサイクルでPPバンドと異なる方法で処理する必要があるため、事前に分別を行うことが大切です。適切な分別がなされていないと、リサイクルされたPPバンドの質に影響を与える可能性があります。

 

PPバンド以外の紐、ロープ、フィルム等の樹脂製品の除外

PPバンドと同様に見える他の紐やロープ、フィルムなどの樹脂製品は、PPバンドのリサイクルには不適切です。これらの製品は異なる種類のプラスチックで作られているため、PPバンドと一緒にリサイクルすることはできません。そのため、適切に分別して、別途リサイクルまたは処理する必要があります。

 

その他のゴミ類の除去

リサイクルをするPPバンドからは、紙や段ボール片などのその他のゴミも除去する必要があります。これらの不純物が混入していると、リサイクル中に機械の故障を招いたり、最終製品の品質に悪影響を与えるため、事前の分別が必要です。

これらの注意点を守ることで、PPバンドのリサイクルはより効率的かつ環境に優しいものになります。

まとめ：PPバンド買取の活用で企業と環境にメリットを

PPバンドの売却は、廃棄コストの削減や売却益の獲得といった経済的メリットを得られるだけでなく、環境への配慮や資源の有効活用にもつながります。

ただし、PPバンドのリサイクルを有効化するには、PPバンドの買取を依頼する際に金属類や異物の除去などの注意点を守ることが重要です。適切な手順が買取時の取引の円滑化を促します。また、CSR活動の一環として社会的評価を高め、ブランド価値の向上にもつながるでしょう。

さらに、従業員の環境意識が高まることで、社内全体で持続可能な経営を推進する風土が育ちます。企業一社一社の取り組みが集まれば、より大きな環境保護の効果を生み出せるはずです。

PPバンドの買取とリサイクルは、企業にとって経済的メリットと社会的評価の両方をもたらす重要な施策です。適切な注意点を守りつつ積極的に取り組んで、持続可能な未来の実現を目指しましょう。

アイレックスでは、PPバンドの買取を強化していますので、ぜひお気軽にご相談ください。