お知らせ・コラム
複合材端材が現場で抱える課題IREXコラム vol.5
― アルミ箔・紙付きPS/PP複合材という“難素材”の本質 ―

日本の製造現場では、食品容器やカップ蓋、各種包装材の生産ラインから、
毎日のように アルミ箔・紙付きPS/PP複合材端材 が発生しています。
しかし、これらの端材は単なる“副産物”ではなく、
現場のオペレーションにおいて 扱いが難しい素材 として長年課題視されてきました。
アイレックスが複合材端材に注力する背景には、
「現場が本当に困っている部分こそ、企業が向き合うべき領域である」
という創業以来の姿勢があります。
本コラムでは、全国の現場から寄せられる代表的な悩みを整理し、
なぜアイレックスがこの領域に挑み続けるのか、その理由を解説します。
1.基準が曖昧で“分類できない”という現場の不安
複合材は、
- アルミ+樹脂
- 紙+樹脂
- 多層ラミネート構造
と種類が多く、単一樹脂とは異なり分類基準が確立されていません。
「これは複合材に入るのか?」
「リサイクルラインに混ぜて良いのか?」
判断が現場担当者に委ねられるケースが多く、
分類ミス=回収拒否につながるリスクから、
結果として廃棄物扱いになってしまう工場が多いのです。
2.粘着剤・紙粉・アルミ粉…保管性に関する課題
複合材端材には粘着剤や印刷インク、紙粉などが付着しやすく、
以下のような現象が頻発します。
- シート同士が貼り付いて固まる
- 臭気が出る
- 紙粉・アルミ粉が舞い、清掃負荷が増える
これは単一樹脂の端材にはほとんど見られない特徴で、
「保管すればするほど扱いにくくなる端材」
として現場の負担になっているのが実情です。
3.リサイクル先が極めて限定的
複合材端材が現場で最も問題視されるのは、
「引き受けてくれるリサイクル業者がほとんどいない」 という点です。
従来のリサイクル技術では
アルミ・紙・樹脂を分離できない=受入不可
となり、廃棄コストだけが増加する悪循環が続いてきました。
この“受け皿の欠如”こそが、全国の多くのメーカーが直面している最大のボトルネックです。
4.アイレックスがこの課題に挑む理由

アイレックスが複合材領域に踏み込んだ理由は明確です。
それは、LayerX™(日本初の複合材分離技術) により、
従来不可能とされた素材からでも「価値」を生み出せると確信したからです。
LayerX™を核とした当社の一貫処理体制は、
- 破砕
- 分離
- 洗浄
- 乾燥
- ペレット化
自社で完結させ、複合材端材を
“廃棄物”から“再生原料”へ変える道 を切り拓きました。
現場の“困りごと”に対し、
技術と仕組みで真正面から応えることこそ、
私たちが大切にしている企業姿勢です。
5.課題は、未来の価値に変わる

複合材端材は、確かに現場にとって扱いにくい素材です。
しかしその裏側には、
「まだ使われていない資源価値」が眠っています。
アイレックスは、こうした“難素材”にこそ挑戦し、
産業の課題を 新たな循環価値へと転換する企業 を目指します。
次回予告
次回は「現場で多い課題② ― アルミ箔付きPP端材の保管と回収のポイント」をお届けします。