お知らせ・コラム
捨てられたペットボトルが及ぼす環境問題
ペットボトルの年間排出量
ペットボトルの年間排出量は、日本では約250億本、世界全体では約5,000億本と推定されています。
このうち1%が海洋に流出すると、年間約50億本が海洋に排出されることになります。
この大量のペットボトルが適切にリサイクルされずに廃棄されると、深刻な環境問題を引き起こします。ペットボトルは海水より比重が大きいため、海底に沈んで蓄積する傾向にあり、海洋プラスチック汚染の一因となってしまうのです。
ペットボトルが環境に与える影響
【海洋プラスチック問題】
ペットボトルが海に流れ込むと、海洋生物が誤って食べてしまうことがあります。これにより、消化不良や窒息になり、生物が死に至ることもあります。
また、プラスチックは海水中の有害な化学物質を吸着しやすく、これが食物連鎖を通じて広がり、最終的には人間にも影響を及ぼすのです。
【ペットボトルの廃棄量の増加】
世界的にプラスチック製品の需要が高まり、それに伴って廃棄量も年々増加しています。例えば、世界全体で毎分約100万本のペットボトルが購入され、その多くがリサイクルされずに廃棄されているため、年間では数十億本のペットボトルがゴミとして出ているのです。
適切に処理されないプラスチックごみが河川から海洋に大量に流出し、年間約800万トンのプラスチックごみが海洋に流出していると推計されています。2050年にはプラスチックごみの量が魚の量を上回る可能性があるとも言われています。
これらは紫外線の影響でマイクロプラスチックに分解され、食物連鎖を通じて生態系全体に影響を与えることになります。
さらには、長期的には600年以上かけて分解されるため、海洋や土壌の汚染が進行してしまうおそれがあるのです。
プラスチック廃棄物削減の課題
【プラスチック削減と循環利用】
使い捨てプラスチック製品の使用を減らすためには、日常生活でプラスチックへの依存を減らしていくという消費者の意識改革が必要です。消費者がリサイクルを積極的に行い、リサイクル製品を購入することで、循環利用のサイクルが強化されます。
企業においては、環境に優しい代替素材の開発と普及が進んでいますが、コストや性能面でプラスチックに代わるものを見つけるのは容易ではありません。しかし、多くの企業がリサイクル素材の使用を増やし、製品の設計段階からリサイクルを考慮するようになってきました。これにより、循環型経済の実現が促進されていくことが期待されています。
また、プラスチックのリサイクル技術は進化しており、より多くの種類のプラスチックを再利用できるようになっています。これにより、廃棄物の削減と資源の有効活用が可能となっていくでしょう。
プラスチック廃棄物削減の課題を克服し、循環利用の可能性を最大限に活かすためには、政府、企業、消費者が一体となって取り組むことが重要です。