お知らせ・コラム
マスクの不織布はプラスチック?世界のリサイクル事情
私たちの生活に身近になった、マスクの不織布。
不織布は品質が高く、さまざまな用途に使用することができるのはご存じでしょうか。
不織布はリサイクルが可能な素材です。
回収後の不織布製品がどのように生まれ変わるのか、世界のリサイクル事例も交えてご紹介します。
不織布とは
不織布は、ポリプロピレンやポリエステル、レーヨンなどの化学繊維から作られる布のことです。
複数の繊維層を重ね合わせたり、接着したりして、化学的な手法で製造されています。
製造コストが低く、耐久性や通気性にすぐれている上、形状を自由に設計できるなどの特徴があります。近年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、マスクや防護服、医療用ガウンなどの医療用品としての需要が高まり、重要な役割を果たしてきました。
「使い捨て製品」として、マスクやティッシュ、おむつ、トイレットペーパーなどの日用品に広く使われており、私たちの日常に身近な素材といえます。
不織布マスクはリサイクルできるの?
不織布マスクは、製造メーカーによってさまざまな素材で作られています。
PP素材(ポリプロピレン)だけでなく、PE素材(ポリエチレン)、PET素材(ポリエチレンテレフタレート)、鼻の部分は非鉄金属、PLA樹脂(ポリ乳酸)という植物由来の素材も使用されています。
多種素材で作られているため分別することが難しく、今のところ使用済みマスクをプラスチック原料へリサイクルできていないのが現状です。
単一の素材であれば、リサイクルは可能となります。
不織布のリサイクルに取り組むことが環境保護につながるため、世界中でリサイクルする動きが広がっています。
世界のリサイクル事例
ここ数年、新型コロナウイルス感染予防のために世界中で約1290億枚(2021年5月時点)もの使い捨てマスクが使用され、埋め立てや焼却などの方法で廃棄されてきました。そのため、マスクの不織布をリサイクルする取り組みは重要視されています。
【マスクのリサイクルに取り組んでいる国とリサイクル製品例】
・オーストラリア:道路の舗装材
・フランス:フロアカーペットや車のプラスチック部品の材料となるビーズ
・イギリス:ガーデンチェアやテーブルなどに使用する板材
・アメリカ:ベンチ
国内においても、不織布を含む廃プラスチックリサイクルに取り組む企業が増加しています。
不織布のリサイクルは、石油資源の節約とCO2排出量の削減、廃棄物の減量化や環境負荷の軽減にもつながるのです。
アイレックスの不織布リサイクル事業では、回収された不織布製品を選別、洗浄、分解し、再生不織布製品を作り出しています。限りある資源を大切に使い、環境保護への取り組みとして、不織布のリサイクルを考えてみませんか。
「マスクもバイオマスの時代に!?」では、環境に優しいバイオマスマスクについてご紹介しております。