お知らせ・コラム

コラム

環境汚染につながるプラスチック問題とは

プラスチックの大量生産と使用の増加

世界的にプラスチック生産が増大

プラスチックは軽量で安価、耐久性が高く、さまざまな形に成形できるため、食品包装、医療用器具、家庭用品、自動車部品、建材、電子機器など、あらゆる分野で使用されています。

経済成長に伴い、消費者の購買力が向上し、より多くの製品が購入されるようになりました。特に新興国では急速な経済成長とともにプラスチック製品の需要が増加しています。

1950年代以降、プラスチックの生産量は急激に増加しており、2019年の世界のプラスチック生産量は約3億6,800万トンに達しました。この50年間で生産量は約20倍に増加したと言われています。

世界最大のプラスチック生産国は中国で、アメリカ、ドイツ、日本なども主要な生産国です。

プラスチックの生産量は世界的に増大を続けており、その便利さゆえに私たちの生活に深く浸透している一方で、環境への影響が大きな課題となっています。

プラスチック廃棄物の不適切な処理と影響

マイクロプラスチックの排出

プラスチック廃棄物の多くが不法投棄や風で飛ばされて広範囲に拡散されています。プラスチックは紫外線や波の作用、摩耗などにより徐々に細かく砕け、マイクロプラスチック(5mm以下の微小なプラスチック粒子)となります。 

マイクロプラスチックは海流や風によって地球規模で拡散し、極地や深海にも到達してしまうのです。生態系全体に影響を及ぼす可能性があり、長期的な環境への影響が懸念されています。

環境と生態系への影響

海洋生物

魚や貝などの海洋生物がマイクロプラスチックを誤って摂取し、消化不良や内臓損傷を引き起こします。マイクロプラスチックに吸着した有害化学物質が生物の体内に取り込まれ、健康被害をもたらすことがあります。

これにより、食物連鎖全体に影響が及び、最終的には人間の健康にもリスクが生じる可能性があるのです。

プラスチック問題への解決策

プラスチック製品を回収し、再生プラスチックとして新たな製品に再利用することが重要です。再生PETは飲料ボトルや衣類などに再利用されます。

 使い捨てプラスチック製品(ストロー、カトラリー、袋など)の使用を減らし、再利用可能な製品に切り替えることが求められます。

さらに、自然環境中で分解される生分解性プラスチックの開発と普及を進めることで、プラスチックごみの環境負荷を軽減します。具体的には、自然環境で分解されるバイオプラスチックを開発し、使用することです。化石燃料に依存しない、植物などの再生可能な資源から作られたプラスチックの利用を促進することができます。

プラスチック問題の解決には、国際的な協力と連携を通じて、プラスチック汚染対策を強化することが必要です。先進国と発展途上国が協力し、プラスチック汚染に対する効果的な解決策を共有することが求められています。

これらの取り組みを総合的に進めることで、プラスチック問題の解決に向けた大きな一歩を踏み出すことができるでしょう。

一覧へ戻る >