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プラスチックリサイクルの必要性

スーパーなどで、プラスチック食品容器の回収箱を見かけたことはありませんか?今では回収箱に出すのが普通になっていますが、20年ほど前まではすべて一般ゴミとして捨てられていました。なぜプラスチックゴミはリサイクルされるようになったのでしょうか?その理由や歴史からプラスチックリサイクルの必要性を解説します。

プラスチックをリサイクルする理由

プラスチックのリサイクルがなぜ必要なのか?その答えは、「パリ協定」にあります。

パリ協定は2020年以降の気候変動について、世界200ヶ国の合意を得て決めた国際的な枠組みです。産業革命以前と比較して、放置すれば2050年までに約4℃上昇すると言われている世界の気温を1.5℃に抑えるために、温室効果ガスの排出量を実質ゼロを目指しています。

プラスチックに関しては、市場に出回る使い捨てプラスチックを2025年までに50%削減、2030年までに80%削減するという具体的な目標があります。プラスチックを使い捨てせずリサイクルすることが必須なのです。

プラスチックリサイクルの歴史

スーパーの普及などによって、1960年代から日本ではプラスチック容器が盛んに使われます。当時は環境への影響などを考慮しておらず公害やゴミ問題が起きます。1990年代に入ると環境問題への関心が高まり、1991年に「再生資源利用促進法」、1995年に「容器包装リサイクル法」が交付されて資源ゴミ回収のシステムなどが構築されていきました。

その結果、2019年には日本でのプラスチックリサイクル率は84%に達したのです。

国内でプラスチックをリサイクルすることが大切

日本におけるプラスチックリサイクル率は84%なので、かなり高い水準だと言えるでしょう。しかしながら、日本は2017年まで廃プラスチックの半数近くを中国や東南アジアなどの国に輸出していたのです。2017年末に中国が輸入規制措置を取り(※1)、その後ほかのアジアの国々でも輸入禁止に踏み出しており(※2)、日本の廃プラスチックは行き場を失っています。しかも、日本におけるプラスチックリサイクルではほとんどが燃料としての使用にとどまっており、プラスチック製品として再利用していませんでした。

日本国内でプラスチックリサイクルの仕組みを作ることが最も重要な課題となっているのです。

※1出典:環境省「廃プラスチックのリサイクル等に関する国内及び国外の状況について」https://www.env.go.jp/press/files/jp/114031.pdf

※2出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「東南アジアでも廃プラスチックの輸入禁止へ 使い捨てプラ製品の利用禁止も相次ぐ」https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2018/87f587bf7c717578.html

出来るところから始められる「身近なところからリサイクル」について紹介しております。

世界中の問題となっていることを詳しく紹介している「SDGSをわかりやすく解説」もご確認ください。

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